日本で最も遅い春を迎える稚内にも、ようやく待ち望んだ桜の季節が訪れました。
古くから桜は、人の心に深く寄り添う花として詠まれてきました。西行法師にも、桜の下で春に最期を迎えたいと願った有名な歌があります。
厳しい冬を乗り越え、むとう市民斎場の前にある八重桜も、今年ようやく満開の花を咲かせてくれました。毎年少しずつ手入れを続けてきた桜が、北国の遅い春にきれいに咲く姿を見るたび、日々の積み重ねの大切さを強く感じます。
そんな中、先日、むとう市民斎場にて職員を対象とした納棺講習を行いました。

納棺と一言でいっても、その所作や考え方、技術にはさまざまな形があります。故人様のお身体を整えること、ご家族に安心してお別れいただけるように支えること、その一つひとつの所作に大切な意味があります。
当社では、納棺師の方々とのご縁を大切にしながら、技術を教えていただいたり、勉強会に職員を派遣したりして、日々学びを深めています。
また、納棺の技術だけでなく、グリーフケアの考え方も大切にしています。
大切な方を亡くされたご家族の悲しみは、すぐに消えるものではありません。しかし、涙を流すこと、思い出を話すこと、故人様に触れたり声をかけたりすることで、お気持ちが少しずつ和らぐことがあります。

納棺は、ただ故人様をお棺にお納めするだけの時間ではありません。ご家族が故人様と向き合い、感謝の気持ちを伝え、最後のお別れに向けて心を整える大切な時間でもあります。
今回の講習では、納棺の所作や技術の確認だけでなく、ご家族にどのようにお声がけをするか、どのようにその大切な時間を支えるかについても学びました。
稚内市で葬儀や家族葬をお手伝いする葬儀社として、これからも職員一人ひとりが学び続け、故人様を丁寧に送り出し、ご家族が安心してお別れの時間を過ごせるよう努めてまいります。
むとう市民斎場の前の桜も、厳しい寒さを乗り越えながら毎年少しずつ枝を広げ、この遅い桜の季節に、皆さまの心を少しでも和ませる存在になってくれたらと願っております。