3月23日(日)、むとう市民斎場にて「お焚き上げ供養祭」および「葬儀無料相談会」を執り行いました。
今回の催しは、静けさと温かさに包まれた会となりました。たくさんの方が集まったわけではありませんが、胸の内にある「ありがとう」「さようなら」の気持ちが会場内に伝わってきました。
写真にもありますように、たくさんの人形が祭壇に並べられ、読経が始まりました。
参列された方は受付後から会場内で話をされており、お互いの供養について話していたようです。帰り際に「また、元気にどこかで会いましょうね」と言って帰られたのを拝見して、供養祭とは、誰かと静かにつながり寄り添う時間でもあるのだと、改めて感じました。
◆「お焚き上げ」の意味とは
お焚き上げ(焚上げ)とは、古くから日本に伝わる「ものへの感謝」を形にするための供養の儀式です。単に不要になったものを処分するのではなく、“魂が宿る”とされる品々に敬意を払い、浄化の火で天に還すという、深い精神性をもった文化です。
たとえ物であっても私たち日本人が「ありがとう」「お世話になりました」と感謝を込めて見送る姿勢は、自然な形として私たちの暮らしの中に根付いています。
特に、人形やぬいぐるみといったものは、子ども時代の思い出や家族との記憶が深く染み込んだ存在であり、捨てることに大きな葛藤を感じる方が多いのも事実です。中には「目が合って捨てられない」「寂しがっている気がする」と感じる方もいらっしゃるほどです。
また、人形は“身代わり”として災いを引き受けてくれる存在であるとも言われてきました。お雛様などの節句人形には「健やかな成長を願う」ご家族の想いが込められており、それゆえ簡単には手放しづらいのです。
お焚き上げとは、そのような想いのこもった品物に「ありがとう」「おつかれさま」「さようなら」と声をかける最後の儀式でもあります。
読経とともに炎に包まれるその光景には、不思議と心が洗われるような安堵と感謝の空気が漂い、「きちんと手放せた」という納得感を与えてくれます。
「人形が捨てられない」「仏壇を片付けたいけど、どこに相談したらいいか分からない」
そんなお悩みがあれば、どうぞお気軽に武藤はくぜんにご相談ください。